林正樹(p) 箭島裕治(b) 岩瀬立飛(d)
2007年6月13日
本年初春、１通のメールを受け取った。
箭島（やじま）と名乗るミュージシャンからで、「宴」というバンドのツアーで、ＴＥＮ−ＯＮを使いたいという趣旨であった。
失礼ながら、全く知らないバンドだったので、ネットで調べてみたりしたのであるが、ＣＤジャケットの写真が着物姿の本人達であったりもして、「？？？」がいっぱいだったのである。
しかし、ホームページでのライブ告知直後から反響は大きく、その人気ぶりがうかがえた。
さて、ライブ当日。ドラムやアンプ類の大荷物を詰め込み、車の後部が地面すれすれまで沈んだ状態のバンでやってきたメンバー３人。
セッティング時、マイクが必要ということで、あれ？インストバンドかと思いきや歌もありかと尋ねると、いや、奇声を発するから・・という答え。
またまた「？？？」である。
「Tappy」「禁断の思ひ」「まみむめも」・・・謎のタイトルの曲が続くステージ。
彼らの演奏は、シリアスなプレイの合間に、必ずボケフレーズや小ネタ小芝居がはいる。
この可笑しさは文章では表現不可能なのだが、全員ボケスタイルの演者にお客さんが突っ込むという展開が続く。
ド〜っとこけそうに沸く場面の連続なのである。
群を抜く高等テクニック、高度な曲を難解と感じさせない綿密なアレンジ、豪快さと繊細さを伴った各自のソロ、年輪を感じさせるアンサンブル・・・どれをとっても突き抜けたレベルで、引き込まれそうな魅力たっぷりの演奏である。
それに加えてのボケボケお笑いセンス。
類は友を呼ぶというか、よくこの３人が集まったものだ。
ジャズはどこへ向かうのか？、未来のジャズは？などというテーマでの論戦はよく聞くのであるが、「この手があったかーー！」と思い知らされたバンドである。
お客さんみんな笑いすぎて、お腹痛そうであった。