足立兄弟発見

1990年頃、CX系で泉麻人が司会役の「冗談画報」という、一芸を持っている人達をﾗｲﾌﾞで紹介する番組があり、そこで「足立兄弟」を目撃した私は一発でもんどりうっていたのでした。
「足立兄弟」（兄・龍介、弟・宗亮）はﾅｲﾛﾝ弦ｱｺｰｽﾃｨｯｸを使用するｷﾞﾀｰﾃﾞｭｵです。ｷﾞﾀｰﾃﾞｭｵといっても「ｺﾞﾝﾁﾁ」とか「山弦」などのなごみ系じゃなく、自らの個性的な楽曲を超高速ｳﾙﾄﾗｽｰﾊﾟｰﾃｸﾆｯｸで弾ききるというｽﾀｲﾙで、とにかく「速い！速い！速い！」ﾌﾟﾚｲが圧倒的です。 しかし、音源の発表がなく、活動状態もよくわからないため、その後「足立兄弟」に触れる機会は全くありませんでした。 たまにＴＥＮＯＮに来るｷﾞﾀﾘｽﾄの鬼怒無月より、兄弟で「飲み屋」を経営しているというような情報を聞いたりしていたくらいです。

ライブ決定

2001年11月、ＴＥＮＯＮ・仲田宛に１通の手紙が届きました。差出人は埼玉県の「足立宗亮」となっていました。 内容は、以下の通り。

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「足立兄弟」というｷﾞﾀｰﾃﾞｭｵをやってます。弟の方です。 私共のﾌﾟﾚｲをご覧になってｷﾞﾀｰを買ったことがあるという貴殿のﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞを拝見し、世の中には珍しい方もいるもんよなあと思う今日この頃であります。 ２０年間続けてきて、一時はﾌﾞﾗﾝｸもありましたが、最近は他の仕事を持ちながらもﾚｺｰﾃﾞｨﾝｸﾞや都内でのﾗｲﾌﾞをやっております云々・・・・

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私の中で一種まぼろしとなっていた人からの突然のｱｸｾｽに驚き、また是非「足立兄弟」のﾌﾟﾚｲを生で聴きたい、多くの人に聴いていただきたいと思い、ＴＥＮＯＮでのﾗｲﾌﾞを打診してみました。
快諾をいただき、 ２００２年３月９日にライブ開催となりました。

ところがっ！

特にｷﾞﾀﾘｽﾄの皆さんからの期待の声も強まり、ﾗｲﾌﾞも近づいた3月6日、突然ﾏﾈｰｼﾞｬｰさんからの電話がありました。弟の宗亮氏が倒れ、緊急入院した、病名は白血病であるとのことでした。
当然宗亮氏の出演は無理。代役を立てての実現も探ってみたのですが、やはり「足立兄弟」を聴きたいということがあり、今回のﾗｲﾌﾞは中止！いや、いつか実現したいとの希望は強く無期限延期というやむなきに至ったのです。
ﾗｲﾌﾞ当日はｽﾀｯﾌの方の来阪もあり、 「足立兄弟」さんからの無念の思いも伝わっております。
また、ご予約無しのため中止が伝わらず会場にいらっしゃったお客様には大変なご迷惑をおかけ致しました。

復活！！

非常に厳しい闘病生活であろうと予想されるのではありますが、病院にPCをｾｯﾄｱｯﾌﾟしたとのことで、ﾒｰﾙでのやりとりは続けて おりました。
治療の甲斐があって容体は回復、7月には一時退院できるところまでこぎつけたということです。
そうなれば腐っても（失礼！）ﾐｭｰｼﾞｼｬﾝ。ﾗｲﾌﾞやりたいのはあたりまえです。延期となってたＴＥＮＯＮでの演奏を実現しようという方向となりました。そうなれば大阪まで来なきゃいけないのですが、主治医も7月中ならOKの太鼓判だそうです。
但し、骨髄移植のためのﾄﾞﾅｰのｺｰﾃﾞｨﾈｲﾄ待ちという状態での退院となり、8月にはいつ病院からお呼びがかかるかわからないという状況のため、急遽のｽｹｼﾞｭｰﾘﾝｸﾞで7月28日（日）にﾗｲﾌﾞ決定！としました。

前述した「冗談画報」のﾋﾞﾃﾞｵをいただき10数年ぶりに映像を見ました。最近ﾘﾘｰｽしたCD「BLOOD＆INSTINCT」も聴いています。ﾒﾃﾞｨｱからは「足立兄弟」が唯一無二の強力なｲﾝﾊﾟｸﾄを持つﾕﾆｯﾄであることが伝わって来ます。是非その驚愕の個性を、生で、かぶりつきで体験していただきたいと思っております。