ＪＡＭ ＳＥＳＳＩＯＮ 　 2003年2月9日

昨年１２月１３日に行われた中村善郎＆ヒロトモヒロによるボサノバライブ、非常に素晴らしく、今になっても「あのライブはよかったねー」という声をよく聞くのである。 実際、ボサノバギターをやりたい人が来てくれたり、ボサノバのライブが決定したりと、ＴＥＮ−ＯＮは今ちょっとしたボサノバブームである。 この日のセッションもボサノバを専門にやってる人が何人か参加し、さながら「ボサノバ・セッション・デイ」となった。 中村・ヤヒロライブが何故良かったか？私なりの感想であるが、中村善郎氏は年季のはいったボサノバ一筋のミュージシャンで、しかも「がんばらない」 演奏スタイルが徹底しているのである。 ＴＥＮ−ＯＮでもたくさんの一流ミュージシャンのライブがあり、たとえば、ピアノを壊したとか、サックスを吹くとき血管が切れて失神したとか、ギターを弾く指から鮮血がシャワーのように飛び出し、お客さんまで血まみれになったとか、伝説となったライブは数多くあり、それぞれ素晴らしく印象的なのである。しかしながら、それは「がんばる」スタイルの演奏であり、まあ普通は好きで音楽をやっている以上「がんばる」のは当然であるし、お客さんも目の前で尋常でない「がんばる」人達を目にすることは醍醐味のひとつであろう。 しかしながら中村善郎氏は「がんばらない」のである。淡々とギターを弾き、自然に歌い、いつのまにかライブが終わってるのである。でもそのライブに遭遇した人達は、当日の夜、眠れないほどの感動をひきずっている。 私も、音楽的にはとても無理なので、少しずつ「がんばらない」ライフスタイルを目指そうと決めているのだが、なかなか中村氏の足元までたどりつくのはむずかしそうなのだ。でも勝手に中村氏を「がんばらない」教・教祖とあがめてます。