グラストン・ガリッツァ(vo,g)
鬼武みゆき(p)
2010年10月19日
スペイン・マドリードに住み、ヨーロッパで最も重要なラテンアメリカ系ミュージシャンのひとりと称される、ブラジル出身のグラストン・ガリッツァ。日本の鬼武みゆきとは、インターネットを利用し、リアルタイムでの曲の共作やレコーディング作業をしているそうである。
どちらも、ボサノバ等の伝統をふまえた複雑で繊細な和音の進行を自在に操り、斬新なメロディーを紡ぎ出すことを真骨頂とするミュージシャンである。
ともすれば、ＴＥＮ-ＯＮの出演者は、計り知れない精神力を伴った即興ソロを脅威のテクニックで展開する・・・といったタイプが多い。
それに反し、ふたりのプレイは、作りこまれたハーモニーを気持ちよくからませあい、その上にかぶさる、ソウルフルともいえるグラストンのヴォーカルを胸に染みさせる。
ギターとピアノは、ある意味難しい組み合わせなのであるが、ふたつの楽器がひとつに溶け合った幸せな関係に触れ、心底堪能した一夜となった。