１部　ペポ・ブラジル
平原賢(ｳﾞｫｰｶﾙ､ｷﾞﾀｰ､三線) 一色祥子(ﾋﾟｱﾉ､ﾋﾟｱﾆｶ)　津田藤宏(ﾍﾞｰｽ､ｷﾞﾀｰ)　秋山光一郎(ﾊﾟｰｶｯｼｮﾝ)

ボサノバを基調に自らのオリジナルを弾き語りする、音楽教室メンバー・平原賢を中心にしたバンド。
今回は沖縄の三線を取り入れるなど、変わった試みもあった。

ＴＥＮ−ＯＮ音楽教室では誰もが知っている「キッチンサンバ」も披露。
ほっこりとした良い曲なのだ。

２部　ヤバンジ　
田中峰彦（ｼﾀｰﾙ）　加藤吉樹（ｳｰﾄﾞ）　ＳＥＴＳＵＫＯ（ｱｺｰﾃﾞｨｵﾝ）

インド古典音楽をルーツに持ちながらも、東洋のメロディー・西洋のハーモニーを融合したオリジナリティたっぷりの自作曲を奔放に放射し続ける田中峰彦。

今回はトルコ語で異邦人を意味するＹＡＢＡＮＣＩ（ヤバンジ）での登場である。

インドをスタートし、アラブから東欧へと渡って行ったジプシー。
シタール、ウードというそれぞれの地域を代表する楽器、それと東欧スタイルのアコーディオンをプレイするＳＥＴＳＵＫＯにより、ジプシーの歩んで来た道を再現しようという意欲的な試みのユニットである。

それにしても田中峰彦、異才・鬼才を集める天才である。
彼の元に集まるミュージシャンを見るたび、世の中にはいろんな人がいるもんだと、いつも感心させられる。

異なるバックボーンや個性が渾然一体となった格別な演奏が繰り広げられた。

ラストで披露された曲「THE ROAD」。

曲の出だしだが・・・、
出生の秘密を知り、恋人は去り、知らぬ間に借金の保証人にされ、勤め先の会社は倒産、不治の病を宣告された女性が、粉雪交じりの真冬の能登半島の崖の上に呆然とたたずんでいるといったかんじの、まっくらけな曲調である。

ところが、中盤から田中のこれでもかのインド風シャウトがはいると、一変。
もの凄い演奏に変わっていく。

ベンガル地方の乾ききった灼熱の大地、４０度を超す熱風にひとり敢然と立ち向う真っ赤な顔のおっさんが、大地を踏みしめ地平線の彼方まで歩いていく・・
といった、底抜けなエネルギーに圧倒されまくったのである。